当協議会は、2010年12月17日に任意団体として発足し、ドライブレコーダーの社会的な関心の高まりを背景に、2016年10月3日に一般社団法人となり今日に至ります。この間、ドライブレコーダーは順調に普及し、多くの機種が出現するなど、自動車用品業界の注目商品になり、メディアにも頻繁に登場するようになりました。
 近年では軽井沢スキーバス事故を契機に貸し切りバスのドライブレコーダー装着が義務化されたように、営業用自動車の運行管理の強化を目的に、ドライブレコーダーの装着とデータに基づく安全教育が重要であると再認識されています。
 また、近年のあおり運転に対する自己防衛や、高齢運転者による事故の増加にともない、自家用車へのドライブレコーダー装着の増加も目を見張るものがあります。このような社会のニーズに対応して、AI機能や通信機能を備えたものなどを含めて、多種多様な機種が開発されています。
 最近の事故調査においては、ドライブレコーダーの記録映像・音声などにより、迅速かつ客観的な交通事故の再現が可能となっています。近年開発が進められている自動運転車(AD)には、これまでにない種類の事故が懸念されます。一般車にドライブレコーダーが普及する中で、自動運転車が関係する交通事故が起きた際に、自動運転中のシステムの作動状況や運転者の操作状況等を確認できなければ、原因や責任関係を適切に確定できないおそれがあります。自動運転車が関係する事故の原因を明らかにするには、ドライブレコーダーのような映像記録装置の装着が必須と言えます。
 また、先進運転支援機能(ADAS)、救急自動通報システム(D-Call Net)や運転者モニタリング機能など、自動車の安全運転支援における先進技術の進歩は、ドライブレコーダーに新しい役割を与えつつあります。
 更に、ドライブレコーダーの普及に伴い収集したデータをビッグデータとして活用すれば、これまでにない交通事故予防や迅速な事故処理、あるいはAD/ADASの安全性評価法の開発に利用できるなど、更なるデータの分析・活用法について調査・研究し、実用化していくことが望まれます。
 当協議会では、ドライブレコーダー技術を交通安全の向上に資するため、(1) 利用者に分かり易い機能や性能の表示を促進し、製品の比較テスト等によってドライブレコーダーの更なる普及を促進すること、(2) 個人情報の保護に配慮しながら、ドライブレコーダーのビッグデータを交通安全に幅広く有効に利活用する方策を検討すること、(3) ドライブレコーダーに搭載できる安全運転支援技術を拡充強化する方策を検討すること、等の活動を進めています。

 今後とも関係各位の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人ドライブレコーダー協議会
代表理事 会長  永井正夫ながいまさお